息子の教育に悩むママ「どうやったらうちの子は勉強してくれるの?どういった教育が良いのかもわからないし、うちの子がこのままで良いのか心配です……」
そんな悩みを科学的根拠(エビデンス)で吹き飛ばします!
✔️本記事で学べること
知っていると知らないとでは、子供の育て方が変わってきますよ。
なので、まずは知っていくことから初めて、子供にどんな教育をしてあげられるのかは、あとでしっかりと考えましょう。
この記事は『「学力」の経済学ー中室牧子』を参考にしています。
もし本記事を読んでみて、興味が出てきたら、実際に読んでみてくださいね。
教育になぜエビデンスが必要なのか?
子供の成功のためにどんな必要な教育が必要か、答えられますか?
もちろん成功者にはそれぞれの体験や逸話があります。
ただ、その子供や家庭に効果があっただけかもしれないのが事実です。
そこで重要になるのが、実験によって得られた統計データ、つまり多くの人への効果が実証されている科学的エビデンスになります。
読書をすると頭がよくなると言っても、その真実は次のどれでしょうか?
- 読書をすることで学力が高くなる
- 学力が高いから読書をする
- 教育の関心の高い親が、本を買い与え、勉強を促している
どれも納得がいきますよね。
だからこそ、その真実を明らかにする、科学的な根拠をこの記事ではご紹介していきます。
子供をやる気にさせる魔法
子どもをやる気にさせると聞いて、真っ先に思い浮かぶのが飴と鞭です。
お小遣いや褒めることなどのご褒美を与えて釣るのか、ゲームやテレビの禁止にしたり、お小遣いを減らす罰を与えるのか?
さまざまな方法はありますが、ここでは、ご褒美を与えることに的を絞って、エビデンスを紹介していきます。
- ご褒美で釣るのっていけない?
- 行動にご褒美か、結果にご褒美か?
- お金はいいご褒美なのか?
ご褒美で釣って、やる気にさせる
ご褒美で釣ると心配なのが、勉強する楽しさを減ってしまうことです。
ただ、ハーバード大学のフライヤー教授が実験した結果、そのような結果はみられませんでした。
つまり、ご褒美で釣っていたとしても、子どもは一生懸命に学ぶことを楽しいと感じてくれるようです。
伸ばすにはインプットにご褒美を
お褒美といっても、インプットにご褒美を与えるのか、アウトプット(結果や成績)にご褒美を与えるかによって、子どもの学力の伸びが違います。
先ほどに続き、ハーバード大学のフライヤー教授の実験によって示されたのは、インプットにご褒美を与えた時に伸びるということでした。
フライヤー教授とアラン教授の共同論文に興味がある方は、こちらの『 The Power and Pitfalls of Education Incentives 』を読んでみてください。
ただ、アウトプットにご褒美を上げる際に、勉強のコツや方法を一緒に教えることで、学力が伸びるとの研究もありますよ。
お金がご褒美でいいのか?
シカゴ大学の教授陣による研究によって、明らかにされたのは、ご褒美の与え方によるやる気の出かたです。
実験では、小学生にはトロフィーやメダルなどがお金以上に子どもたちをやる気にさせました。
対して、中高生は、お金に、特に高いお小遣いにやる気を出したのです。
また、ご褒美が与えるのが少しでも遅れてしまうと、やる気を無くしてしまうこともしっかりと実証されました。
詳しくは、レヴィット教授やリスト教授らによる『 The Impact of Short-term Incentives on Student Performance 』を読んでみてください。
他にも、子どものやる気の上げ方は、ほめて育てることやテレビやゲームを取り上げるなど、さまざまです。
もっと知りたいという方は、ぜひ『「学力」の経済学ー中室牧子』を読んでみてください
どんな教育政策は結果がでるのか
日本の教育政策はさまざまですが、その効用をしっかりと理解できていますか?
どのような政策や制度がデータ上・統計上でも効果が約束されているのかを知るだけで、これからの教育の見方が変わっていきますよ。
- 少人数学級は効果あるの?
- 価値ある政策とは
少人数学級は効果あるの?
クラスの規模が小さいほど学力が上がることは、次のグラス・スミス曲線を見てみるとわかります。
上の曲線が中高生、下の曲線は小学生を示しています。
グラフの左に行くほど、どちらの曲線も成績が上がっていますよね。
また、中高生の方が小学生よりも少人数学級の恩恵が大きいようです。
ただ、完璧のように見える少人数学級ですが、かかるコストが高くつきます。
費用対効果で見る価値ある政策
費用が高ければ、効果が出てもおかしくはありませんよね。
そのため、ただ政策と効果をみるだけではなくて、費用対効果を比べていくことが必要になります。
そんな費用対効果において最強を語るのが、親と子どもに情報を与えることです。
実験では、親と子どもたちが「教育を受けることの経済的なメリット」をしっかりと理解させたことで、学力を高まりました。
なので、この記事を読むことで知識を得ることも、子どもの学力を上げるための大切なエビデンス集めなのですよ。
「いい先生」を見極める付加価値とは
さまざまな先生の中から、教育力の高い先生を見極めたい、となった際に、あなたは何を見ますか?
ここでは、評判や学歴ではなくて、付加価値を用いて「いい先生」を見つけていく方法をご紹介していきます。
- なぜ教員免許は質を保証しないか?
- 付加価値で評価する教師の質
教員免許はなにも保証しない
先生になるために必要な教員免許ですが、これは教師の質を保証しません。
実験でも、免許の有無による生徒の学力はほどんと変わらなかったことが実証されました。
だからこそ、いい先生を判断できるだけの何かしらのデータが必要になってきます。
成果主義で見極める教師の力
そんな先生の質を判断する上で便利になるのが、付加価値というものです。
付加価値とは、ある先生によって、クラスのテストの点数がどれだけ変化したかを数値化したものになります。
そして、ハーバード大学のチェティ教授らの論文から、付加価値が教師の教育力をしっかりと反映することも明らかになっています。
つまり、教育の質は完全に成果主義で見定められるということです。
これは、すでにアメリカのロサンゼルスでは浸透していて、ロサンゼルス・タイムズのサイトからすべての学校のすべての教師の付加価値をチェックできます。
日本もこの成果主義を導入できれば、自然と実力のある教師だけが残っていくことで、教育界に革命が起こるかも知れませんね。
チェティ教授らが発表した論文をしっかりと読みたい方は、ぜひ『 Measuring the Impacts of Teachers I: Evaluating Bias in Teacher Value-Added Estimates 』から読んでみてください。
まとめ
この記事で学んだ知識をまとめておきましょう。
- 小規模のクラスだと学力が上がる
- 「いい先生」の判断基準は付加価値
- 子ども教育にエビデンスが必要なわけ
- 情報を得ることが最強の費用対効果の策
- 子供をやる気にさせる賢いご褒美を与え方
このように、知らなかった教育の知識を得たいま、世界の見方が変わりませんでしたか?
この知識を親だけのものにせず、子どもにも伝えることで、子どもたちも意識的に自分の勉強に目を向けるようになるはずです。
もっと教育界のエビデンスを知りたい方は、ぜひ『「学力」の経済学ー中室牧子』を読んでみてください。
また、この記事で紹介したような教育のエビデンスをふんだん活用している国際教育プログラムを知っていますか?
その名も『国際バカロレア(IB)』です。
日本の教育が発展するのには時間がかかりますが、『国際バカロレア』では、毎日のように教育の科学的根拠の反映が研究されています。
もし海外大学や国際教育に興味があるのなら、ぜひ次の記事から詳しく読んでみてください。
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