バイオ燃料とは?種類や作り方、メリットと課題をわかりやすく解説

【5分でわかる】バイオ燃料の作り方と使い方【バイオマスの基本】科学の教養
悩みを抱えた男性
  • バイオ燃料ってなに?
  • バイオ燃料ってどうできてるの?
  • バイオ燃料を使っていこうってなる?

こんな疑問にお答えします。

近年バイオ燃料は、環境にやさしい燃料として注目を集めています。

ですが、何がどう凄いのでしょうか?

そこで今回は、バイオ燃料の基本がわかる!をテーマに、サクッとご紹介していきます。

✔ 本記事の内容

  • バイオ燃料とは?
  • 4種類のバイオ燃料
  • 3つのバイオ燃料の作り方
  • バイオ燃料の魅力・メリット
  • バイオ燃料の課題・デメリット

さっそく見ていきましょう。

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バイオ燃料とは

試験管に入った藻類のバイオ燃料

バイオ燃料とは、生物資源(バイオマス)を原料にした燃料です。

バイオマスとは動物や植物を元にした、再生可能なエネルギー資源です。

なので、一般的に燃料に使われる、化石資源(石油や石炭など)とは異なります。

バイオ燃料は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を削減できる、環境にやさしい燃料として注目されています。

また、エネルギー資源の多様化や安定供給にも貢献できるのです。

では、バイオ燃料にはどんな種類があって、どのように作られているのでしょうか?

4種類のバイオ燃料と特徴とは

バイオ燃料には、さまざまな種類があります。

この記事では、代表的な4つのバイオ燃料について紹介します。

4種類のバイオ燃料

  • バイオエタノール
  • バイオディーゼル
  • バイオジェット
  • バイオガス

バイオエタノール

とうもろこしの黄色いバイオ燃料

バイオエタノールとは、トウモロコシやサトウキビなどの植物を発酵・蒸留して作られるエタノール(アルコール)のことです。

エタノールは、ガソリンと混ぜて自動車などの燃料として使われています。

エタノールの混合比率位によって、E3(3% 混合)や E10(10% 混合)などと表記されます。

バイオエタノールには、次のような特徴があります。

  • ガソリンに比べて、燃えたときに発生する二酸化炭素(CO2)の量が少ない
  • 素材となる植物がCO2を吸収していたため、カーボンニュートラルである
  • ガソリンとの混合によって、ノッキング(エンジンの異常燃焼)を防ぐことができる
  • 石油に比べて安価に生産できる

バイオディーゼル

バイオディーゼルとは、ナタネ油や大豆油などの植物油や廃棄用油などをメチルエステル化(アルコールと反応させる)することで作られるディーゼルエンジン用の燃料です。

ディーゼル燃料と混合して使用される一般的です。

混合比率によって、B5(5%混合)、B20(20%混合)などと表記されます。

バイオディーゼルには、次のような特徴があります。

  • ディーゼル燃料に比べて、燃える際に発生する二酸化炭素の量が少ない
  • 再生可能な資源を原料とするため、カーボンニュートラルである
  • バイオディーゼルは、硫黄酸化物や黒煙などの大気汚染物質の排出が少ない
  • バイオディーゼルは、ディーゼル燃料との混合によって、エンジンの潤滑性や冷間始動性を向上させられる

バイオジェット

レース車に給油されるバイオ燃料

バイオジェットとは、航空用のジェット燃料の代替として作られるバイオ燃料です。

微細藻類や木材チップなどのバイオマスを原料として、水素化やガス化などの化学的なプロセスで製造されます。

バイオジェットには、次の特徴があります。

  • ジェット燃料に比べて、燃焼時に発生する二酸化炭素の量が少ない
  • 食用作物と競合しない非食用のバイオマスを原料にすることができる
  • ジェット燃料との混合によって、航空機の燃費や排出ガスの性能を改善させられる
  • ジェット燃料と同等の品質と安全性を持つ

近年では、航空機のために SAF(サフ)と呼ばれるジェット燃料が注目されています。

この SAF(サフ)には、バイオジェットも含まれています。

ただ、他にも廃油や廃棄物を原料にすることもできるのが大きな違いです。

くわしくは、以下の記事から「SAF(サフ)とは何か」を学んでみてください。

バイオガス

バイオガスとは、家畜排泄物や食品廃棄物などの有機物を嫌気性発酵(酸素のない環境での発酵)させることで生じるガスのことです。

主な成分はメタン(CH4)です。

発電や熱供給に利用されるほか、自動車などの燃料としても使われますよ。

バイオガスには、次の特徴があります。

  • 廃棄物の処理とエネルギーの生産を同時に実現できる
  • メタンを含んでいるため、高い発電効率や熱効率を持つ
  • 温室効果ガスの排出量を削減できる
  • 地域に応じて、さまざまな原料から作ることができる

3つのバイオ燃料の作り方

植物の栽培に使われるビニールハウス

バイオ燃料は、どのようにして作られているのでしょうか?

込み入った話にはなりますが、一歩踏み込んで学んでみましょう。

ここでは、代表的な 3つのバイオ燃料の作り方をご紹介します。

  1. 熱分解
  2. 発酵
  3. 精製

順番にみていきましょう。

熱分解

熱分解とは、バイオマスを高温で熱して分解します

ここでは、木質や藻類などのさまざまなバイオマスを材料にします。

熱分解はバイオ原油を作るために利用されます。

同じ熱分解でも、温度や環境によって異なります。

  • パイロリシス(Pyrolysis):
    500〜700度の無酸素の環境
  • ガス化(Gasification):
    700度以上の低酸素の環境
  • 水熱液化(Hydrothermal Liquefaction):
    200〜300度の高気圧の環境

では、どの温度や環境で作るのが最適なのでしょうか?

熱分解の方法は、次の使い分けよって変わってきます。

  • どのような材料・原料があるのか
  • どのようなバイオ原油を作りたいのか

もしそれぞれの熱分解について、もっと知りたい場合は、ぜひこちら(英語)から。

発酵(ファーメンテーション)とは

二つの発酵用のタンク

発酵は、原料の糖分をイースト(酵母菌)が分解することを指します。

発酵といえば、パンや味噌などが想像できますよね。

そして、この発酵はバイオエタノールを作るために利用されます。

ここ使われる材料はとうもろこしやサトウキビなど、糖分(C6H12O6)を多く含む植物です。

材料を糖化してできたシロップを、イースト菌と一緒にタンクに入れて成長させていきます。

このタンクを酸素がない環境に放置しておくことで、バイオエタノールができるのです。

化学の反応式は以下のようになります。

C6H12O6 -> 2 C2H5OH + 2 CO2

糖分(C6H12O6)を分解して、バイオエタノール(C2H5OH)が作られていますね。

精製(リファイニング)

精製では、蒸留や化学反応などを通して、目的となるバイオ燃料を生成・分別していきます

というのも、原材料となる油はどれも、燃料として使うのに適さない場合があるからです。

たとえば、アブラナやヤシ、藻類からとれる植物油や動物の脂肪、食用油などの原料が挙げられます。

というのも、原材料となる油はどれも、燃料として使うのに適さない場合があるからです。

精製はグリーンディーゼルと作るために利用されます。

たとえば、精製には次のような過程があります。

  • ハイドロクラッキング:長い分子を細かくする
  • 水素化:水素を分子に加える

こうした化学反応などを通して、グリーンディーゼルとして使えるバイオ油を集めていくのです。

バイオ燃料のメリットと課題

手の上に乗った草の生茂る地球

ここでは、バイオ燃料のメリットや課題を見ていきましょう。

バイオ燃料の魅力・メリット

バイオ燃料には、次の5つのメリットがあります。

バイオ燃料の5つのメリット

  • バイオ燃料は、再生可能なバイオマスを原料とするので、枯渇の心配がない
  • バイオ燃料は、燃焼時に発生する二酸化炭素が、植物が光合成で吸収した分と同じであると考えられるので、カーボンニュートラルである
  • バイオ燃料は、化石燃料に比べて、大気汚染物質や温室効果ガスの排出量が少ない
  • バイオ燃料は、エネルギー資源の多様化や安定供給に貢献できる。特に、エネルギー需要の高い交通部門や航空部門において、バイオ燃料の導入は重要である
  • バイオ燃料は、農業や林業などのバイオマス産業の活性化や地域経済の振興につながる。また、廃棄物の有効利用やリサイクルにも寄与できる

また、バイオ燃料は、現在使われている石油燃料と混ぜ合わせて活用もできます。

なので、作った分だけ、メリットを享受していくことができるのです。

バイオ燃料の課題・デメリット

バイオ燃料には、次の3つのデメリットがあります。

バイオ燃料の3つデメリット

  • バイオ燃料は、原料となるバイオマスの生産や収集、加工や輸送などの過程で、二酸化炭素や窒素酸化物などの排出が発生する。そのため、バイオ燃料の生産にかかるエネルギーと排出量とのバランスを考える必要がある
  • バイオ燃料は、食用作物や森林などのバイオマスを原料とする場合、食料や環境との競合や影響が生じる可能性がある。そのため、バイオマスの持続可能な生産や管理が重要である
  • バイオ燃料は、化石燃料との互換性や安定性、品質や規格などの技術的な課題がある。そのため、バイオ燃料の普及や拡大には、技術の開発や改善、基準の策定や認証などの取り組みが必要である

石油燃料は、長い時間をかけて、技術発展および効率化がなされてきました。

そんな石油燃料と張り合うためには、さらなる技術開発が欠かせないでしょう。

まとめ「バイオ燃料の今後の展望」

人参によって照らされるランプ

この記事では、バイオ燃料の基本から、ちょっと込み入った作り方、メリットとデメリットなどを順番に説明してきました。

近年高まっているエネルギーの再生可能化や低炭素化に向けた世界の動き。

バイオ燃料に向けられる、大きな期待も納得できるかと思います。

バイオ燃料の発展には、まだまだ以下のステップが必要です。

  • バイオマスの効率的で持続可能な生産や利用の促進
  • 非食用や廃棄物などの新しいバイオマス資源の開発や活用の推進
  • バイオ燃料の性能や品質の向上やコストの低減の実現
  • バイオ燃料の規格や認証の整備や国際的な協調の強化
  • バイオ燃料の普及や拡大のための政策や制度の整備や支援の強化

バイオ燃料は、エネルギーの未来を変える可能性を秘めています。

しかし、その可能性を実現するには、さまざまな課題や課題に取り組む必要があります。

バイオ燃料に関心のある方は、ぜひバイオ燃料の最新の情報や動向に注目してみてください

この記事が役に立ったのなら、嬉しいです。

他にも、記事の途中でご紹介した『SAF(サフ)』燃料についての記事もあります。

また、地球温暖化について詳しく解説している記事もあるので、ぜひ読んでみてください。

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