- 複合材料ってなに?
- コンポジットの種類とか魅力って?
- 今どんな分野に注目が集まってるの?
複合材料(コンポジット)
その有能性に対して、あまり知られていないのが現状です。
事実、わたしも最近まで名前しか知らなかったのですが、これが本当に興味深い!
そこで今回は、私が調べてわかった複合材料(コンポジット)の基礎知識を簡単に紹介していきます。
- 複合材料(コンポジット)とは何か・種類
- 高分子(ポリマー)複合材料の魅力
- その重要性とこれから
それでは見ていきましょう。
複合材料(コンポジット)とは
まずは、複合材料(コンポジット)への理解を深めましょう。
ここでは次の3つを簡単に分かりますよ!
- 複合材料の定義・特徴
- 複合材料の魅力・重要性
- 複合強化の4つのタイプ
複合材料って何?
複合材料(コンポジット)の定義からみてみましょう。
複合材料とは、二つ以上の違う材料を組み合わせた材料!
つまり、金属やセラミック、プラスチックなどがありますが、それらを組み合わせた素材ということです。
複合材料の特徴として、構造内での性質が位置と向きによってバラバラということがあります。
いくつもの材料が、均等に混ざっているわけではないという理解でいいでしょう。
なぜ複合材料は重要なのか?
複合材料には2つの魅力があります。
- 性質が自由自在に!
- 用途に合わせてベストな構造に!
まず、いくつかの材料と、その組み合わせ方も選べることから、性質をうまく編集することができます。
次のような性質はよく注目されますね。
- 硬さ
- 耐久性
- 重さ・軽さ
- 粘り強さ(靭性)
- 腐食抵抗力、など
また、用途によって、構造を変えることができますよ!
つまり、複合材料は、変幻自在の最強の材料にもなり得るんです。
複合強化の種類とは?
複合材料では、メインとなる母材を複合強化(レインフォースメント)しています。
そして、その母材(マトリクス)に、別の材料を加える方法はさまざまです。
以下の 4タイプを見てみましょう。
- 繊維強化
- 粒子分散強化
- ラミネーション加工強化
- 上の3つを組み合わせる!
詳しくは見ていきませんが、いろいろな強化方法があるんだと理解できれば基本としては十分ですね。
複合材料(コンポジット)の素材とは
「複合材料とは何か?」が分かったところで、気になるのが「どんな素材が使われているのか」です。
そこでポイントになるのが、母材と構造材、とくに高分子(ポリマー)になります。
- 母材(マトリクス)の種類
- 構造材(ファイバー)の種類
- 高分子複合材料の魅力
- 【大注目】高分子(ポリマー)基とは
それでは見ていきましょう。
母材(マトリクス)とは
母材とは、複合材料でのメイン(基礎)となる材料です。
英語では、マトリクス(matrix)と呼ばれてますね。
主な種類は、以下の3つになります。
- 金属基
- セラミックス基
- 高分子(ポリマー)基
金属基としては、アルミニウムやマグネシウム、チタンなどが有名です。
また、セラミックス基としては、ガラスやセメント、コンクリートなど、多種に及びます。
最後に、高分子基には、さまざまなプラスチック(レジン)が使われていますよ。
注目度が高いだけに、高分子(ポリマー)については、もっと詳しく理解しましょう。
高分子(ポリマー)基の魅力とは
では、高分子複合材料(ポリマー・コンポジット)はなぜ人気なのでしょうか?
そのメリットがこちら!
- とにかく軽い!
- 熱膨張しにくい
- 疲労抵抗もある
- 性質が変えやすい
- 変形や接着がしやすい材質
ただ、デメリットもあります。
- 引き伸ばしにくい
- 材料によっては値段が高い
- 隠れた損傷が気付けにくい
こう見てみても、高分子(ポリマー)複合材料は魅力的ですよね。
注目度が高い理由もわかったかと思います。
高分子(ポリマー)基の分類
実は、高分子(ポリマー)基とひとことに言っても、2つの分類があるんです。
- 熱硬化性(サーモセッティング|thermosetting)
- 熱可塑性(サーモプラスチック|thermoplastic)
ポリマーは注目度が高いだけに、しっかりそれぞれを理解しておきましょう。
熱硬化性(サーモセッティング)レジン
熱硬化性レジンは、もともとは液体状や柔らかい固体状ですが、熱によって硬くなる性質があります。
じつは熱に限らず、紫外線や圧力なんかでも、硬化させることができますよ。
硬化(キュアリング)は、網目状におこる化学結合によるものです。
そんな硬化から、高温に強いプラスチックができますよ。
たとえば、
- エポキシ樹脂
- ビニルエステル樹脂
- 不飽和ポリエステル樹脂
などが、熱硬化性レジンにあたります。
3Dプリンターにも使われているレジンで、光造形方式(SLA)3D プリンターなどが有名ですね。
複合材料の高分子(ポリマー)基のなかでも特に注目度が高いのが、この熱硬化性(サーモセッティング)レジンですよ。
熱可塑性レジン(サーモプラスチック)
熱可塑性レジンは、分子のもつれがあるために、もともとが硬い固体です。
ただ、融点が低いので、高温ではもつれが解けて、液体状にすることが可能です。
なので、そこで変形させることもできますね。
たとえば、
- アクリル
- ナイロン
- ポリエステル
などが、熱可塑性レジンにあたります。
3Dプリンターでは、家庭用としても使われる、熱溶解積層方式(FFF)3D プリンターに使用される材料ですね。
ほつれが原因で、複合材料には適していないのは残念なポイントです。
構造材(ファイバー)とは?
構造材とは、母材に組み合わせられる強化材料になります。
英語では、ファイバーと呼ばれますが、複合強化の方法によって、呼び方が変わることもありますね。
- ケブラー
- カーボン
- ガラス(E-・S-)
- オーガニック(天然)
- アルミナ/アルミノケイ酸塩、など
たとえば、E-ガラスファイバーはお手頃なわりに、強度や弾性に定評があります。
また、カーボンファイバー(炭素繊維)は、変形しにくい性質が便利とされていますね。
【注目の業界】高分子(ポリマー)複合材料の実用例
高分子(ポリマー)複合材料の利用方法は多岐にわたります。
たとえば、次のような業界でも大活躍しています!
- 自動車業界・航空業界・船舶業界
- 建築・建設業界
- バイオ医薬品業界
- 軍用業界
もう少し詳しく見てみましょう。
自動車・航空・船舶業界
機械類において、ポリマー複合材料はとても魅力的です。
とくにポイントになるのが、次の 3つ!
- 金属よりも安い!
- 金属よりも軽い!
- 放射線防護力もある!
最初の2つのポイントは、燃費や環境汚染を抑えるのに活躍しています。
また、とくに航空業界(軍事)にもなると、放射線などから守ることができるのも理想的ですよね。
建築業界
建築業界では、鉄やコンクリート、セメントがよく使われます。
ただ、環境問題やだんだんと侵食・劣化されてしまう問題に向き合い続けているのです。
そこでポイントになるのが、ポリマーの次の魅力!
- 軽い
- 強い
- 形を変えやすい
- 侵食耐性もあり
- 見た目もいい!?
最近の研究では、コンクリートやセメントでできた壁を、ポリマー複合材料のシートを被せてあげるだけでも、侵食耐性や強度をあげるのに効果的であることがわかっています。
バイオ医薬品業界
最後に、バイオ薬品においても、ポリマー複合材料は価値があります。
骨などの硬いパーツから、肌のような繊細なところまで、応用が効きます。
そこでポイントになるのが、次の5つ:
- 強度も十分!
- 生分解性もあり
- コンパクトに!
- バイオミミクリにも
また、最近では、薬を体内に運ぶシステムへの応用にも期待されています!
より迅速に必要な器官に、薬を運ぶことができるようになればですね。
高分子(ポリマー)複合材料のこれから!
これからの複合材料の未来を考える上で、次の二つがポイントになります。
- 環境問題に対抗するには?>
- ナノテクノロジーを取り入れるべきか
複合材料 ✖︎ 環境対策の未来は
より環境にいい素材を使うこと、それがポリマー複合材料の分野において、注目を集めています。
たとえば、オーガニックファイバー(天然繊維)の活用があります。
- バナナファイバー
- コットンファイバー
- ケラチンファイバー、など
実際、軽量で安価、環境にもいいので、十分魅力的なんです。
ただ、燃えやすく、撥水性にも乏しいところは、課題として残っています。
最近では、オーガニックファイバーと人工繊維を組み合わせた、ハイブリット型への研究も進められているそうですよ。
複合材料 ✖︎ ナノテクノロジー
ナノテクノロジーはさまざまな分野への活用が期待されています。
そして、複合材料でも、その通り!
ナノサイズの応用によって、母材(マトリクス)と繊維(ファイバー)の相互作用が強化できることがわかっています。
この研究が進めば、より複合材料の活躍は幅広くなりそうですよね。
【まとめ】複合材料(コンポジット)は知っておいて損なし!
このように、複合材料はとても興味深い、大活躍している素材です。
とくに高分子(ポリマー)複合材料の魅力と応用力は、しっかりと理解できたかと思います。
科学がわからなくても、「すごい素材なんだ!」と感じられたら、良かったです。
ほかにも、科学をわかりやすく紹介する記事を書いているので、ぜひ読んでみてください!
私が参考にした文献も紹介しておきます。
- Gotro, J. “Polymer Innovation Blog.” (2016).
- Jones, R.M. “Mechanics of Composite Materials.” 2nd Ed. (1999).
- Clyne, T.W. and Hull, D. “An Introduction to Composite Materials.” 3rd Ed. (2019).
- Oladele, I.O., Omotosho, T.F. and Adediran, A.A. “Polymer-Based Composites: An Indispensable Material for Present and Future Applications.” (2020).
もう少し専門要素も含めたプレゼン(英語)も作成したので、興味のある方はご連絡ください!
この記事が、あなたの学びになったのなら幸いです。
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