ゲームにハマった子供を持つママ「息子が毎日のように一人でも友達とでもゲームをしていて、学校での成績が下がってしまうのでは、と心配です。ゲームは禁止にするべきなのでしょうか?」
そんな悩みにお答えします。
- ゲームと成績の関係とは
- 子供の成績を伸ばすために必要なこと
- 子供へのゲームの悪影響
子供のゲームを禁止にする、1日1時間までなどと決めてしまうのは本当に正しいのでしょうか?
この記事では、実際の研究結果を用いながら、「研究論文なんて読まないよ」という方にもわかりやすく、ゲームと子供の成績についてご紹介します。
それでは見ていきましょう。
【論文からわかる】ゲームと成績の関係とは
多くの実験研究では、ゲームと成績に大きな関係性は見えませんでした。
つまり、ゲームを1日に長い時間しているからと言って、それが理由で成績が下がるということはないことになります。
この結果は、世界22カ国にいる19万人以上の中学2年生を対象にしたクリスチェンバーズ(ドラモンド A・ザウエル J.D)による研究5が一番参考になるかと思います。
というのも、1,000人規模や1万人規模の研究は多いのですが、19万人以上というのは中々多いからです。
ゲームを始めてから子供の成績が下がった理由は?
「ゲームを始めてから子供の成績が下がった」という方もいるでしょう。
実際に、大学生713人を対象とした研究2では、1日2時間以上のゲームをする生徒は、成績上位になる可能性が低いと結論づけていました。
ただ、この結果だけを見て、早合点はしていきません。
なぜなら、この結果は単純に「勉強時間が短くなった」ためであると考えられるからです1。
つまり、ゲームが直接的な影響ではない可能性があります。
実際に、大学生を対象とした研究2でも、テレビやSNSに長時間を費やしている学生の成績はめぼしくありませんでした。
よって、ゲームを初めてから成績が下がったのなら、それは勉強時間が短くなった結果になります。
逆にいえば、ゲームーでも、しっかりと勉強時間をとっていれば、最初に述べたように成績には影響ができないのです。
このように、ゲームと成績には直接的な関係はありませんよ。
子供の成績を伸ばすために必要なこと
上のセクションで、ゲームを禁止にするだけでは意味がないことがわかりましたよね?
ゲームを禁止にしても、動画を見たり、友達と連絡を取り合って、勉強時間が増えなければ本末転倒です。
それどころか、したいゲームをできないストレスも溜まってしまうかもしれません。
ですが、簡単に言えば、勉強時間を増やすことができれば、成績を伸ばすことも可能なのです。
実際のオハイオ大学の農経学の学生を対象とした研究3でも、効果は高くないものの勉強時間と成績が正の関係にあることがわかっています。
しかし、どのようにして勉強時間を伸ばしてあげるのか、問題になりますね。
そこで注目したいのが、『子供をやる気にさせる方法』です。
飴と鞭といいますが、実際はどのようにしてあげるのがいいのでしょうか?
もしやる気にさせる方法について詳しく知りたいのなら、ぜひ次の記事を読んでみてください。
ゲームによる子供への悪影響
ゲームには成績への影響は薄いということがわかりましたが、他にも悪影響が考えられますよね。
たとえば、暴力シーンの多いゲームが青年期の攻撃性を高めてしまう研究結果4があります。
確かに、銃撃を扱う作品や、血が多いゲームも多いですよね。
実際に、シューティングゲームが好きな友人が、悲惨な銃撃戦のテロの動画をシェアしてきたときはかなりショックでした。
この記事を機に、成績以外にも目を向けながら、ゲームが「子供にとってどういったものなのか」を考えてみてください。
まとめ:正しい教育についての知識を身に着ける
このように、ゲームが与える子供の成績への影響についてご紹介してきました。
ゲームを禁止にすること自体に意味がないことが理解できれば十分といっていいでしょう。
それ以上に、勉強時間を増やす・やる気を出させることが成績アップに繋がるのです。
実際、ゲーム以外にも、「あれはいけない!これをしなければならない!」と子供の教育について頑固になっていませんか?
たとえば、子供には「いい子いい子した方がいい」だとか……
もし不確かな情報に振り回されているのなら、あなたに必要なのは、正しい教育についての知識を身に着けることです。
そうなった時に、やっぱり役立つのが研究や論文です。
この記事でも、下記の5つの論文を参考にさせてもらいましたよ。
- 『 電子ゲームが学力に与える影響 』赤平 優佑・五十嵐 友美・川上 栞
- 『 Gaming frequency and academic performance 』イプ B・ジェイコブ G・ワトキンス W
- 『 Use of time and academic performance of college students: does study matter? 』ズアルフ C.R・ゴートナー M.K
- 『 The Relation of Violent Video Games to Adolescent Aggression: An Examination of Moderated Mediation Effect 』シャオ R・ワン Y
- 『 Video-Games Do Not Negatively Impact Adolescent Academic Performance in Science, Mathematics or Reading 』ドラモンド A・ザウエル J.D
論文と聞くとハードルが高く感じますが、今はネットで無料で読める論文も多いので、ぜひ読んでみてください。
特に、一つ目の日本語の論文は、ゲームジャンルごとに子供の想像力や集中力、記憶力などへの影響についても紹介しています。
この記事が参考になったのなら、嬉しいです。
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