「これからの教育は、それぞれの子どもに合った学習速度ですすめられるようになるみたい。でも、それって実際どうなの?」
そんな悩みを解消します。
ICT教育が注目される中、とくに「自身の習熟度に合わせた学習」という側面への疑問がつのります。
はたして、マイペースな学び方は良いことなのでしょうか?
この記事ではそんな、『子どものペースに合わせた学習(self-paced learning)』のメリットとデメリットについて、解説していきます。
- 『子どものペースに合わせた学習』
- 『マイペースな学び方』のデメリット
それでは見ていきましょう。
子どものペースに合わせた学習とは
メリットとデメリットの話に入る前に、かるく『子どものペースに合わせた学習』についておさらいしておきます。
『子どものペースに合わせた学習』の実現への近道が、冒頭でも登場したICT教育です。
ICT教育とは、アプリやネットを活用した授業体系でしたよね。
では、なぜICT教育が『子どものペースに合わせた学習』へ繋がるのか、理解できてますか?
その理由は、ICT教育によって授業や宿題を保存・再利用できるようになるからです。
よって、子どもたちは、きまった時間の授業を受ける必要はなくなります。
すると、子どもたちそれぞれが、自分のペースで先生の作っておいた教材(動画・プリント)に取り組めるようになれますよね。
こうした仕組みによって、『子どものペースに合わせた学習』の実現が近づいているわけです。
簡単に『子どものペースに合わせた学習』がどんな背景にあるのか、わかったところでさっそく本題に入っていきましょう。
『子どものペースに合わせた学習』のメリット
子どものペースに合わせた学習には、大きく分けて5つのメリットがあります。
- 効率的
- 効果的
- 能動的
- 自由度が高い
- 学びの主導権を握れる
順番に解説していきます。
効率的
『子どものペースに合わせた学習』なら、だれの時間を無駄にしない効率的な学びが実現できます。
なぜなら、生徒それぞれが自身の学習目標に向けた時間の使い方をできるからです。
つまり、得意ならどんどん先を学べて、苦手ならゆっくり時間がかけられるわけですね。
すると、授業もだれかのペースに合わせる必要もないので、みなの時間を無駄にしないで学習が進められます。
効果的
成績をあげるためにも、『子どものペースに合わせた学習』はひじょうに効果的です。
というのも、全員が基礎をしっかりと習得した上で、ステップアップが可能だからです。
たとえ基礎を理解できていなくても次へと進んでいた従来の教育とは違いますからね。
最初の段階から学び基礎がしっかりと築けると、あとで「授業に追いつけなくなった…」なんて問題もなくなりますよ。
長い目でみても、マイペースに学べられるのは効果的であることがわかったでしょう。
能動的
『子どものペースに合わせた学習』のおかげで、子どもたちは好奇心を育むことができます。
なぜなら、「どうしてだろう」と不思議に思ったことでも、時間をかけてより道ができるからです。
これまでは、授業に関係ないことを無視してきましたが、これからはどんどん気になることを進んで調べられます。
だからこそ、もっと知りたい・もっと学びたい、そんな学ぶ意欲(知的好奇心)を抑え込まないで学んでいけるのです。
自由度が高い
『子どものペースに合わせた学習』では、子どもたちは自由にのびのびと学習ができます。
なぜなら、学ぶための時間と場所を選ばないからです。
すでに紹介したように、基本的にはすでにできた動画やプリントで学習していきますよね。
たとえば、現在のようなコロナ禍で自由に外出ができなくても、寝坊して学校におくれるようなことがあっても、問題はありません。
よって教育が、子どもへの精神的負担も少ない、より学びに熱中できる環境になっていくかもしれませんね。
学びの主導権を握れる
『子どものペースに合わせた学習』なら、生徒それぞれが自分の学習に責任を持つことになります。
なぜなら、どこまでやるのか・やらないのかは、純粋に本人次第だからです。
つまり、学びの主導権を握っていると認識できることで、そこに責任感も生まれるのです。
皆さんも「やらされている」と思いながら勉強するのは、辛くありませんか?
そんなやらせを無くして、それを子どものやる気に変えられるのかもしれませんね。
『子どものマイペースな学び方』のデメリット
『子どものマイペースな学び方』のメリットはわかりましたが良いことばかりではありません。
そのデメリットを、ここでは3つみていきましょう。
- 子どもの自制心が不可欠
- サポートが肝心
- 環境設備が必要
順に説明します。
子どもの自制心が不可欠
『子どものマイペースな学び方』では、子どもの性格によって、向き不向きがあります。
勉強を楽しめる・自制心がある生徒なら、のびのびしっかりと学べるでしょう。
反対に、勉強が嫌いでわがままな生徒となると、やらないという選択肢を選べてしまうのです。
すると困ったことになりますね。
よって、マイペースのスタイルも、万人受けするのは難しいかもしれません。
サポートが肝心
『子どものマイペースな学び方』に必要な、子ども一人ひとりに寄り添ったガイダンスが難しい。
子どもたちは、あまりにも自由すぎると、自分の学び方に不安を覚えはじめます。
なので、先生や親によるサポートが必要になってくるのです。
しかし、適切なサポートをそれぞれの生徒に与えていくのは至難の技です。
この新しい学び方への人材育成を行っていくのは、やはり難しいでしょう。
環境設備が必要
『子どものマイペースな学び方』のためのさまざま環境設備がなければなりません。
なぜなら、この学び方を支える動画やプリントは、電子上で利用されることがほとんどだからです。
たとえば、タブレットやソフトウェア、ネットワークの設備など、学校だけではなく、各家庭にあってこそでしょう。
よって、日本のいまのように設備投資が滞っている状態では、子どもに合わせた学び方を始めていくことが困難になってしまうのです。
まとめ:サポート力が教育力を決める
このように、『子どものペースに合わせた学習』のメリットとデメリットについて、解説してきました。
まだまだ課題は実現には至りませんが、どうなっていくのか未来が見えたかと思います。
やっぱりネックになってくるのが、どれだけ子どもたちの学びのサポートをしてあげられるか、ですよね。
そこが解決できれば、あとは良いこと詰めの予感です。
ちなみに、海外では『子どものペースに合わせた学習』として授業でも導入されている『カーンアカデミー(Khan Academy®︎)』をご存知ですか?
『カーンアカデミー』とは、完全無料で使えるオンライン学習サイトです。
クラスを開設して、子どもの勉強をサポートしていける機能(クラス機能)もあるので、興味があればぜひ次の記事を読んでみてください。
また、詳しいクラスの開設の仕方や使い方をまとめた記事もあるので、そちらに興味があればこっちの記事もどうぞ!
この記事が役に立ったのなら、嬉しいです。
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