「よい子」願望は危険?親の期待が与える【子供の自尊心への影響とは】

「よい子」願望は危険?親の期待が与える【子供の自尊心への影響とは】子供の教育
悩みを抱える女性

つい子供に期待しちゃうママ「子育てっていうと、つい自分の子を期待しちゃう。これって、子供のためには良くないことなの?どんな影響があるのかしら」

こんな疑問に答えます。

この記事を読めば、今の子育てで本当にいいのか自信がない人でも、何かが掴めるかもしれません

本記事は以下の論文を参考にして書かれています。

興味のある方はぜひ読んでみてください。

それでは見ていきましょう。

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「よい子願望」の新常識とは

自主的に勉強に励む女の子

つい自分の子供にかけてしまう期待は少なからずあるものです。

  • 「よい子」に育って欲しい
  • しっかりと勉強して欲しい
  • 安定的な職業について欲しい
  • 良い友人関係を作って欲しい
  • 親の言うことを聞いて欲しい

期待の種類はさまざまです:親の愛情が感じられる期待もあれば、親としての見栄や一方的な希望の押しつけなども存在します。

しかし、その期待がどのような形であっても、やっぱり考えないといけないのが「子供がどう受け取っているのか」になります。

なぜなら、親の期待が「子どもの心の成長」を阻害してしまうかもしれないことがわかってきたためです。

こう聞くと不安になりませんか?

それでは、もう少し「子どもにどんな影響があるのか」「どんな期待が悪影響になるのか」について、深堀していきましょう。

「よい子願望」が与える自尊感情への影響

バイオリンを熱心に演奏する少女

「よい子願望」を受けた子どもは、将来的に自己価値の随伴性が高くなる傾向があります1

まず、「自己価値の随伴性」という言葉が難しいので、言い換えると次のような意味になります。

「自己価値の随伴性」が高い人は、自分に対する価値が他人からの評価に大きく依存している人1です。

そして、重度が大きいと、親や他の人の評価がないと何もできなくなってしまう「指示待ち人間」になってしまうかもしれませんね。

そのため、「よい子願望」とくに学校や社会、家庭で「よい子」として期待されてきた子どもは、この「自己価値の随伴性」が高い傾向が研究からわかったのです。

なので、ありのままの自分を受け入れられる「自分の力で考える子」を育てたいと思えばこそ、過度の「よい子願望」を避けていきましょうね。

親の期待の捉え方が違う影響を生む

家族といやいや写真に映る少年

親の期待による「生活満足感」への影響における研究3から、子どもの期待への反応の違いが「生活満足感」に影響を与えることがわかりました。

期待に対して肯定的に応えようと反応した子供の場合は、「生活満足度」が高い数値を示しました。

対して、期待に対して苦しみや葛藤を抱いた経験は、その後の「生活満足度」を低下させることが見つかったのです。

ちなみに、期待の中でも子供の人間性を重視した期待には「生活満足度」への大きな影響は見られませんでしたよ。

よって、子供に将来、自分の生活に満足して暮らして欲しいと思うのなら、「期待に応えたい!」と思えるような親子関係を築くことが重要になってきますね。

実話:今期待に応えていても将来はわからない

窓側に寄りかかる寂しい顔をした女性

ここで友人Aさんの「いい子症候群」についての実話を一つ。

友人Aさんは、子供の頃から、門限は守るし、勉学にも励み、友達もたくさんと、親が求める理想の「よい子」でした。

そうして30代になった彼女は、一流企業に入社して働いていました。

そんな彼女が突然パタリと仕事に行かなくなったのです。

彼女は、会社が嫌いなわけでも、満足していないわけでもない。

ただ、彼女は他の人の期待に応え続けることが急に苦痛・負担に感じるようになったのでした。

その後、彼女はどうにか復帰したようでしたが、たいへんだったと聞きます。

今は大丈夫でも明日や明後日、来年や再来年、いつどこかで「いい子」スイッチが切れてしまうかもわかりません。

なので、やっぱり子供への過度の期待は「たとえ子供が平気そうに応えていたとしても」抑えてあげるのが、子供の将来のためになりそうですね。

子供の自尊心を伸ばすには

自信満々にポーズをとる少女

「子供への過度な期待が子供の自尊心にいけないのはわかった」という方も多いのではないでしょうか?

しかし、一番重要なのは、ここからどうするのかです。

そこで大切なのが、次の二つを高めていくことになります。

  • 子どもの自主性
  • 親子の信頼関係

順番に見ていきましょう。

子どもの自主性を高めるには?

帽子をかぶった考える少年

まず、自主性を高めていく上で大切なのは、自分で考える力を付けさせることです。

ここでは以下の3つポイントを心がけましょう。

  1. 子供自身に選ばせる機会をたくさん与える
  2. ヒントをあげるにしても、あくまで子供を主体に
  3. 選択肢にかかわらず、否定をしない

最後のポイントは特に重要で、否定をしてしまうと自信を失ったりと、あなたへの依存がさらに悪化してしまいます

なので、ちょっとした買い物のときや勉強のときに、この3つのポイントを思い出して、子供の自主性を高めていきましょうね。

親子の信頼関係の改善法とは

仲がいい白人の母親と娘

先ほど紹介した期待による悪影響の研究の中で、期待に対して肯定的に反応するケースならその後の「生活満足度」が高くなっているとわかりましたよね。

実は、この期待に肯定的に応えようとするケースに重要なのが、親と子供の間の信頼関係になります。

しかし、信頼関係を高めると言っても一つの正解があるわけではありません。

なので、ここでは意外に忘れられている信頼関係に大切なポイントをご紹介します。

そして、それは親の気持ちを子供に伝えてあげることになります。

信頼関係は一方通行ではありえない、そんなこと大人同士なら当たり前ですよね?

子供に対してだと「自分が正しいから!」と思って、つい一方的になってしまうことが多いんです。

ですので、少しずつ自分がどう思って、子供はどう考えているのか、意見を言い合って認め合える関係構築に努めてみてください

まとめ:期待はしすぎず子供を見守ろう!

フェンスの前に佇む人形を持った男の子

それでは、この記事で学んだことをまとめてみましょう。

  • よい子願望の影響で「自己価値の随時性」が高くなる!?
  • 期待の反応の仕方によって「生活満足度」が変わってくる
  • 自尊心を伸ばすには、子供の自主性と親子の信頼感が大切

今までの子育て感について少しでも考え方が変わりましたか?

研究の論文を読んでみると、意外にも面白い子育ての知識が身につきますよね

もし研究の結果をベースとして子供の教育について興味があるのなら、次の記事も楽しめると思います。

この記事が少しでも役に立ったのなら嬉しいです。

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