IBDPの教科選択に悩む男性「IBディプロマが始めるのですが、教科はどう選べばいいのでしょうか?判断方法がイマイチわかりません」
そんな疑問にお答えします。
- グループごとの教科選択のコツ
- IB教科のレベル(HL・SL)の選び方
- 教科選択の3つのおまけ情報
もし国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)という方でも、IB教科の基礎から説明していくので安心してください。
私自身もIBの教科選択には頭を抱えさせられたので、あなたにも共感しやすい内容になっていますよ。
それでは見ていきましょう。
国際バカロレア・ディプロマの教科選択のコツ
国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)では、上記の6つのグループからそれぞれ一つずつ教科を選択します。
この教科選択は、過酷なIBディプロマを生き抜くためにはとても重要です。
ここでは、6グループを順番に「どのようにIB教科を選んでいけばいいのか」を解説していきます。
グループ1:言語と文学(母国語)
グループ1では、言語A(Language A)に当たる教科を選択します。
選択肢としては、メジャーな言語からマイナーな言語まで種類が豊富です。
ですが、通常なら、主に選択肢は日本語A(Japanese A)か英語A(English A)を選択することになります。
ここでの選択の目安になるのは、「どれだけ本が読めるか」です。
なぜなら、言語Aでは小説や詩、演劇やエッセイなど多種多様な10冊以上の作品を読む必要があるからです。
また、ただ読むのではなく、しっかりと理解する必要があります。
なので、ネイティブでも難しいこのグループで、それほど英語がわからないのに英語Aを選択すると、苦労することになりそうです。
なので、すでに挙げたように選択する言語で「どれだけ本を読めるのか」を軸に考えてみてください。
グループ2:言語習得(外国語)
グループ2では、言語B(Language B)または言語入門(Language ab initio)に当たる教科を選択します。
言語Aと同じく、さまざまな言語から選ぶことができます。
ここでポイントになるのは、あなたが「何を学びたいのか」になります。
たとえば、英語をもっと伸ばしたいと考えるのなら、英語Bが良いかもしれません。
また、スペイン語・韓国語・中国語を0から学びたいと思うのなら、それぞれスペイン語B・韓国語B・中国語Bが存在しますよ。
ただ、ここで注意しておきたいのが、英語を選ぶ必要がある場合です。
なぜなら、「英語Aまたは英語Bを選んでいること」が必須のインター校や受験する大学先の必須項目になっていることが多いためです。
なので、グループ1で英語Aを取らないとすると、グループ2では英語Bを取ることが自動的に決まってしまうパターンでは何のか確認しておきましょう。
ちなみに、すでにぺらぺらに話せる言語(ハーフの場合など)を言語Bとして選択することで、その科目での高得点を狙う方法があります。
しかし、せっかく高い学費を払っているのに新しいことを学ばないのは損なので、わたしは推奨していませんよ。
グループ3:社会科学(Human Science)
グループ3では、社会科学にあたる教科を選択していきます。
このグループには、以下の11種類の教科があります。
経済 | 哲学 | 世界の宗教 | 環境システム社会 |
地理 | 心理学 | グローバル政治 | 社会・文化人類学 |
歴史 | ビジネス | 情報テクノロジーとグローバル社会 |
社会科学では、前知識はほとんど必要なく基礎から学んでいくので、今までに学んだことがない教科にも挑戦可能です。
わたしもIBディプロマ以前はずっと地理を選んでいたのですが、IBディプロマでは経済を選択しました。
やはり周りの生徒と比べて多少のディスアドバンテージはありますが、それ以上に新しいことを学べるメリットは大きいですよ。
しかし、今まで学んできた教科でも、しっかりと深みを掘っていくので十分に楽しむことができるはずです。
グループ4:自然科学(Natural Science)
グループ4では、自然科学にあたる教科を選択していきます。
このグループには、以下の7種類の教科があります。
生物 | 物理 | デザインテクノロジー | 環境システムと社会 |
化学 | コンピュータ科学 | スポーツ・運動・健康科学 |
自然科学でももちろん基礎の基礎から初めていきます。
ここで多くの学生が悩むのが、「好きな教科」を選ぶか「得意な教科」を選ぶのかです。
答えは「好きな教科」を選ぶことです。
なぜなら、IBディプロマでは2年間継続して学んでいくことになるためです。
なので、その時得意だとしても、IBディプロマのハイペースにはついていけるとは限りません。
それでも頑張れるかの鍵を握っているのが、好きという意思の強さなのです。
よって、長期的にみて、自分は「どの教科をもっと学びたい・好きだと思えるのか」を考えてみましょう。
グループ5:数学(Mathematics)
グループ5では、二つのタイプの数学から選んでいくことになります。
- 分析とアプローチ(Analysis and approaches)
- 応用と解釈(Applications and interpretation)
基本的には、二つ目の「応用と解釈」の方が難しいと言われています。
ここでどちらを選ぶのかで鍵になるのが、大学の志望校です。
主に理系の学部では、「応用と解釈」でないといけないなどという規定が存在します。
なので、ここでもあなたの意思も大切ですが、ちゃんとあなたの進みたい道に沿った選択なのかを確認しておきましょう。
グループ6:芸術・アート(その他)
最後に、グループ6では、芸術教科またはグループ1から4のどれかから選んでいくことになります。
芸術教科には、5つの種類があります。
音楽 | ダンス | 文学と演劇 |
美術 | フィルム |
わたしの場合は、グループ4の化学を選択することで、2つの自然科学を履修しました。
なので、わたしのように理系なら、2つの自然科学という道もあるのです。
ほかにも、3つ目の言語や2つ目の社会科学という選択も可能です。
また、シンプルに音楽や美術などを選択しても良いでしょう。
興味のある分野の組み合わせを考えながら、選んでみることが大事になりますよ。
IB教科のレベル(HL・SL)の選び方
国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)には、教科選択ともう一つに、レベル選択があります。
レベル分けは、以下の二つです。
- 標準レベル(Standard Level:SL)
- 上級レベル(Higher Level:HL)
最低でも三つの上級レベルの教科を選択しなければいけないのですが、その名の通り難易度がかなり高いです。
なので、得意な教科で高いレベルを取ろうと考えてしまう人も多くいます。
しかし、ここで重要なのはあなたの進路です。
なぜなら、ほとんどの大学や学部によって「どの上級レベルが必要である」などと要求されていることが多いためです。
たとえば、エンジニア系や理学を専攻したいのなら、数学の上級レベルと自然科学の上級レベルが必須であることがパターンがあります。
ほかにも、経済学部に入るには、経済HLが必要であったり、医療系なら生物のHLが必要だったりします。
ただ、ここには一つの答えはないので、「あなたの目標とする大学が何を欲しているのか」をリサーチする必要があるのです。
よって、まずは志望大学や志望する学部の検討をつけて調べてみてくださいね。
知っておくとお得なおまけ情報
ここでは、国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)の教科選択におけるおまけ情報をシェアしていきます。
- 独学で学ぶセルフトート(self-taught)とは
- 上級レベル4つが得策なわけ
- 自然科学を三つ取る方法とは
順に解説していきます。
独学で学ぶセルフトート(self-taught)とは
インター校によって、IB教科の中でも学校で教えられている科目といない科目が存在します。
とくに小規模のインター校ともなると、グループ1のうち英語Aしか授業がないパターンが存在するのです。
そういったシチュエーションで役に立つのが、「独学で学ぶセルフトート(self-taught)」になります。
セルフトートでは、自分で教科書を揃えたりと準備が必要ですが、学校で教えられていない教科でも選択できるのです。
ただ、二つ注意点があります。
- 授業料が免除されない可能性大
- 本当に一人で学んでいくには難しい
まず、授業が他の生徒よりも少ないからといって、授業料が免除されるという可能性は低いです。
なので、実質的に言語Aの分の学費を損していることになりますよね。
また、二つ目に、あなた一人で2年間しっかりと学ぶのはかなり難しいです。
なので、家庭教師や塾などのサポートが必要になる場合が多く、それも実費になってしまいますよ。
もしIBディプロマでの家庭教師や塾の必要性について知りたいのなら、次の記事をチェックです。
上級レベル4つが得策なわけ
上級レベルはすでにご紹介したように、最低でも3つ必要になります。
しかし、それ以上を取ることももちろん可能です。
そこで、なぜ上級レベルの教科を4つ取るとアドバンテージになるのかをご紹介します。
その理由は、進学の選択の幅が広がるからです。
たとえば、IBディプロマを始める前には、言語学を学びたかったけども、経済学を大学で学びたくなったとしましょう。
そこで、数学の上級レベル(HL)をとっていたら、それほど問題なく受験に進めます。
ただ、もし数学の標準レベル(SL)をずっと学んでいたとすると、学科の変更は容易ではなくなってしまうのです。
よって、4つ上級レベルを選択しておくことで、突然の進路変更にも対処ができますよ。
また、上級から標準レベルへの変更は簡単なので、心配も入りませんね。
自然科学を三つ取る方法とは
最後に、通常最大で二つまでしか選択できないグループ4の自然科学を三つとる裏技をご紹介します。
その方法は至ってシンプル、3つ必要とする大学と学科を第一志望として明言すればいいのです。
もし大学が必要と言っているのなら、学校の先生には反論できませんからね。
そして、後から志望校が変更すれば万事解決です。
なので、この方法を使えば、苦手な社会科学をさけて、代わりに3つ目の自然科学を取ることができるのです。
まとめ:教科は興味と進学先で決めていく
このように、この記事では、国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)における教科選択の方法について解説してきました。
下記の二つが重要であることがわかったかと思います。
- 「あなたがどうしたいか」という興味や意欲
- 「どの道を進んでいきたいのか」という進学先
もし教科選択をしないといけないのなら、まずはどんな大学で何を学びたいかをリサーチするところから始めましょう。
すると、何をどれだけ頑張っていけばいいのかが明確になってくるはずです。
もし国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)のカルキュラムについて知っておきたいのなら、次の記事を読むとわかりますよ。
この記事が役に立ったのなら嬉しいです。
コメント