- 『SAF(サフ)』ってなに?
- SAF(サフ)の魅力って?
- SAF(サフ)の今後の課題は?
こんな疑問にお答えします。
近年、サステイナビリティの観点が重要視されています。
さまざまな業界にて「CO2排出を実質ゼロにする」ことが目標です。
そして、航空業界におけるジェット燃料の脱炭素化を一翼を担うのが、『SAF(サフ)』になります。
『SAF(サフ)』の利点や欠点、これからの展望や業界の動きなど、技術の話も含めながらご紹介していきます。
- 『SAF(サフ)』とは?
- 一般的なジェット燃料との違い
- 「SAF(サフ)」脱炭素のカラクリ
- 「SAF(サフ)」の魅力と課題
- 「SAF(サフ)」導入のタイムリミット
さっそく見ていきましょう。
『SAF(サフ)』とは?
SAF(サフ)とは、Sustainable Aviation Fuel の略称。
直訳すれば、「持続可能なジェット燃料」です。
それでは、詳しく見ていきましょう。
一般的なジェット燃料と「SAF(サフ)」の違い
まずは、一般的なジェット燃料の特徴を見てみましょう。
- 石油由来でできている
- 灯油に似た「ケロシン(Kerosene)」が主成分
- 二酸化炭素(CO2)を多く排出する
対して、「SAF(サフ)」の特徴は以下になります。
- 植物由来でできている
- バイオマス(パーム油など)や廃食油(食用油や植物油)を活用
- 最大 80% CO2 排出が削減できる
「SAF(サフ)」 脱炭素化のカラクリ
「SAF(サフ)を燃やしても CO2 が出ないのか?」
実は、そういうわけではありません。
脱炭素となるのは、原料となる植物が光合成によって、大気中の二酸化炭素を吸収していたからです。
つまり、ライフサイクル全体を総合的に見た際に、二酸化炭素の排出が抑えているのです。
ただ、こう聞くと大したことをしていないようにも感じます。
ですが、想像してみてください。
- あなたが捨てたあのゴミが……
- あなたが使い終わったあの食用油が……
飛行機を飛ばすジェット燃料になっているのです!
ワクワクしませんか?
「SAF(サフ)」 の魅力と課題
ここでは、「SAF(サフ)」の魅力や課題を見ていきましょう。
「SAF(サフ)」5つの魅力・メリット
なんと言っても、「脱炭素化ができる」ことが SAF の魅力です。
ですが、航空業界の期待の星である理由は、ほかにもあります。
- 脱炭素化のチカラ二酸化炭素排出量を大幅に削減できる
- 廃棄物を減らせられるすでに捨てられているものを燃料に変えられる
- 既存のインフラと互換性すでにある航空機や燃料インフラとの互換性がある
- 日本でも国産燃料が作れるエネルギーの自給率の観点から国内生産が可能なことも魅力です
- さまざまな廃棄物を利用可能バイオ油、廃油、プラスチック、獣脂など、さまざまな原料を活用できる
「SAF(サフ)」3つの課題・デメリット
わかりやすい高価格というコスト面での課題以外にも、まだ課題は残っています。
- とにかく高い現行のジェット燃料の2倍以上のコストがかかります原料の値段だけでなく、製造コストが高いのも原因です
- 製造技術や生産能力がまだ発展途上いま世界が求めても、需要を満たせるだけの供給がありません製造技術や生産能力が発達していくにも、ゆっくりと時間がかかります
- 安定的な原料確保が難しい廃食油や廃棄物を原料にするため、常に安定した原料供給が厳しいですまた、限られた原料の取り合いにもなります
「SAF(サフ)」導入のタイムリミットは?
2022年、国際民間航空機関(ICAO)によって、国際航空分野の2050年カーボンニュートラルが採択されました。
なので、皆さんの知る大手航空会社にとってのタイムリミットが 2050年です。
- ANA(全日本空輸)
- JAL(日本航空)
- カタール航空
- シンガポール航空
ですが、着実に世界では、SAF(サフ)導入に向けた歩みが進んでいます。
というのも、値段が高いのは事実ですが、現行のジェット燃料と一緒に混ぜて使うこともできるのです。
【まとめ】「SAF(サフ)」 のこれから
多くの航空会社のカーボンニュートラル(脱炭素化)において、カギになっているのは「SAF(サフ)」です。
そして、需要はどんどんと高まっていく中、重要なのは「継続的な供給ができるか」です。
これからの技術力と生産力の発展が、供給を押し上げます。
そして、供給が増えることで、値段も下がっていくのです。
ぜひニュースで「SAF(サフ)」を見かけた際は、ちょっと注目して読んでみてください。
この記事が役に立ったのなら、嬉しいです。
他にも、バイオ燃料について、より詳しく紹介した記事もあります。
また、地球温暖化について詳しく解説している記事もあるので、ぜひ読んでみてください。
コメント