「世界大学ランキング」というと、有名どころがいくつかあります。
- THE(Times Higher Educaiton)世界大学ランキング
- QS(Quacquarelli Symonds)世界大学ランキング
- 世界大学学術ランキング
ただ、これらのランキングはどのように作られているのでしょうか?
また、どれが一番信用できるのでしょうか?
この記事では、3つのランキングの特徴や評価基準を比較してみました。
さっそく見ていきましょう。
世界大学ランキングとは
世界大学ランキングとは、世界中の大学の教育の質・パフォーマンスを格付けしたものです。
ですので、日本大学における偏差値のランキングとは違い、入試の難易度を示すものではありません。
それらの評価基準は、ランキングによって大きく違ってきます。
評価基準の違いも踏まえつつ、三つの世界ランキングの特徴をそれぞれ見ていきましょう。
- THE(Times Higher Education)世界大学ランキング
- QS(Quacquarelli Symonds)世界大学ランキング
- 世界大学学術ランキング(ARWS)
THE(Times Higher Education)世界大学ランキング
『THE世界大学ランキング』は、英国の教育専門誌であるTHEが毎年発表しています。
THE世界大学ランキングは、以下の5つの領域から17の指標を用いて大学を評価しています。
- 教育の環境(29.5%)
- 研究の環境(29.0%)
- 教育の質(30.0%)
- 国際性(7.5%)
- 企業との関わり(4.0%)
詳しくはTHE公式ページから(英語・2024年度版)
THE世界大学ランキングは、17もの指標で網羅的にスコアを算出しているのが特徴になります。
2024年版のTHE世界大学ランキング・トップ10は以下のようになりました。
- オックスフォード大学(イギリス)
- スタンフォード大学(アメリカ)
- マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
- ハーバード大学(アメリカ)
- ケンブリッジ大学(アメリカ)
- プリンストン大学(アメリカ)
- カルフォルニア工科大学(アメリカ)
- インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
- カルフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
詳しくはTHE公式ページから(英語・2024年度版)
ちなみに、第一位のオックスフォード大学は今回で8年連続になっていますよ。
QS(Quacquarelli Symonds)世界大学ランキング
『QS世界大学ランキング』は、イギリスの高等教育評価機関であるQSが毎年発表しています。
QS世界大学ランキングは、以下の8つの指標を用いて大学を評価しています。
- 教育の評判調査(30%)
- 採用企業からの評判調査(15%)
- 教職員と学生の比率(20%)
- 教職員あたりの論文の数(20%)
- 外国人学生の比率(5%)
- 外国人教職員の比率(5%)
- 卒業生の就職実績(5%)
- 環境配慮(5%)
詳しくはQS公式ページから(英語)
就職に関する指標や雇用者からのアンケート調査も考慮しているところは魅力的ですね。
また、QS世界大学ランキングに限りませんが、毎年ランキング指標もアップデートされていきます。
2024年版からは、ひと足早く、環境配慮(Sustainability)を指標に加えましたね。
2024年版のQS世界大学ランキング・トップ10は以下のようになりました。
- マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
- ケンブリッジ大学(アメリカ)
- オックスフォード大学(イギリス)
- ハーバード大学(アメリカ)
- インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
- チューリッヒ工科大学(スイス)
- シンガポール国立大学(シンガポール)
- ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)
- カルフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
詳しくはQS公式ページから(英語・2024年度版)
ちなみに、マサチューセッツ工科大学(MIT)は11年連続で第一位になっています。
世界大学学術ランキング(ARWU)
『世界大学学術ランキング(ARWU)』は、中国の上海交通大学が毎年発表しています。
世界大学学術ランキングでは、以下の6つの指標を用いて大学を評価しています。
- ノーベル賞やフィールズ賞の受賞した卒業生数(10%)
- ノーベル賞やフィールズ賞の受賞した教員数(20%)
- 高い掲載数の研究者数(20%)
- 「Nature & Science」への掲載数(20%)
- 科学関連論文の掲載数(20%)
- 教職員当たりのパフォーマンス(10%)
詳しくはARWU公式ページから(英語)
研究の質や量へ重きを置いているだけでなく、ノーベル賞やフィールズ賞などの受賞者数なども考慮しているところが、大きく他と違いますね。
また、自然科学や工学の分野における論文の掲載数や引用数も重視している印象です。
2023年版の世界大学学術ランキング・トップ10は以下のようになりました。
- ハーバード大学(アメリカ)
- スタンフォード大学(アメリカ)
- マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
- ケンブリッジ大学(アメリカ)
- カルフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
- プリンストン大学(アメリカ)
- オックスフォード大学(イギリス)
- コロンビア大学(アメリカ)
- カルフォルニア工科大学(アメリカ)
- シカゴ大学(アメリカ)
詳しくはARWU公式ページから(英語・2024年度版)
ちなみに、ハーバード大学は21年連続で第一位になっています。
もちろん似たよう大学がトップ10に入ってきますが、THEともQSともまったく違った「研究と実績重視」の評価方法なのが興味深いですね。
ただ、教育の質という観点では、あまり説得力はないでしょう。
3つの世界大学ランキングを比較してみよう
三つのランキングを比較すると、以下のような特徴や強みがあることがわかりました。
- THE世界大学ランキング
- 教育や研究にバランスよく重きを置いている
- 教員や研究者からの評価を考慮している
- QS世界大学ランキング
- 就職や国際性に焦点を当てている
- 雇用者や卒業生からの評価も考慮している
- 世界大学学術ランキング
- 研究の質や量に注目している
- 国際的な賞や論文の影響力も考慮している
個人的に参考にしている世界ランキング
ここでは、わたし個人が参考になると考えている世界ランキングを紹介します。
- 大学の「教育の質」をささっと知りたい時は、THE世界大学ランキングがおすすめ!
- QS世界大学ランキングは、大学の「就活のしやすさ」を考える際に面白い!
- 世界学術ランキングは、データを元にした「研究力・実績」を見たい時に参考になる!
ですので、ランキングを見たい目的・理由に合わせて、使い分けるのがベストでしょう。
受験する大学を選ぶのには参考にすべきではない?
もしこの世界大学ランキングに基づいて、受験する大学を選ぶことを考えているのならおすすめしません。
というのも、わたし自身がそれをして後悔をしたからです。
もちろん「まったくどこの大学があるかもわからない」という方には参考になります。
まず知らないと何も始まりませんからね。
ですが、本当に重要なのは「“あなたにとって”どの大学がベストなのかを知る」ことです。
- どんな教授のもと・ゼミに入って学びたいのか
- どんなプログラムを受けたいのか
- どこでの就職・生活をしたいのか
こうしたことを自分で考えながら、あなただけの大学ランキングを作成してみてくださいね。
世界大学ランキングは参考程度に
このように、この記事では、3つの世界大学ランキングをご紹介・比較してきました。
それぞれの特徴や魅力、参考にするタイミングなども理解できたかと思います。
ですが、受験を考えているのなら、一番重要なのは「あなたにとってどうなのか」ですよ。
この記事が少しでも役立ったのなら幸いです。
海外大学への進学のメリット・デメリットについてまとめた記事もあるので、ぜひ読んでみてください。
また、世界の大学院の費用や奨学金情報に興味がある方は、次の記事はチェック必須ですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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