予算が気になる大学生「世界のあの教授のもとでしっかり学びたい。だけど、海外の大学院ってどのぐらいお金がかかるんだろう?」
この記事は、そんなあなたの疑問にお答えします。
✔️本記事で学べること
わたし自身も海外の大学出身なので、ほかの大学院についてもある程度知識がありました。
しかし、この記事での費用算出はそんな感覚や経験ではなく、大学院の公式サイトから引用したデータを用いています。
海外の大学院にかかる費用
大学院にかかる年間の費用を次の2つに分けて紹介していきます。
- 学費(フルタイムの学生における)
- 生活費(家賃+食費+書籍類+その他)
1つの大学院をとっても、学部や学科によって、学費はピンキリです。
学部ごとの学費のおおよその目安として、上の図を参考してみると学費のデータが見やすくなります。
- アメリカの大学院にかかる費用
- イギリスの大学院にかかる費用
- カナダの大学院にかかる費用
- オーストラリアの大学院にかかる費用
- ヨーロッパの大学院にかかる費用
- アジアの大学院にかかる費用
アメリカの大学院にかかる費用
アメリカの大学院の学費は、
- 公立の(public)大学院なら、300万〜500万円が妥当
- 私立の(private)大学院だと、600万円・700万円以上になる!?
生活費に関しては、USD20,000〜24,000(220万〜260万円)あたりが目安です。
ちなみに、アメリカの大学院での修士課程は、ほとんど2年間になります。
それでは、公立と私立の大学院の学費について、もう少し詳しくみていきましょう。
- 公立の大学院にかかる費用
- 私立の大学院にかかる費用
公立の大学院にかかる費用
すでに紹介したように、アメリカの公立の大学院での学費は、およそ300万〜500万円です。
アメリカの公立大学院の有名どころというと、次のような大学になります。
大学院名 | 学費目安(USD1≈110円) |
---|---|
ノースカロライナ大学 | USD36,000(400万円) |
フロリダ大学 | USD40,000(440万円) |
ミシガン大学 | USD23,000〜35,500 (250万〜390万円) |
カルフォルニア大学ロサンゼルス | USD32,400〜54,500 (360万〜600万円) |
カルフォルニア大学バークレー | USD34,600〜61,200 (380万〜680万円) |
ジョージア工科大学 | USD32,000〜41,200 (350万〜450万円) |
パデュー大学 | USD28,800〜44,700 (320万〜510万円) |
ワシントン大学 | USD29,600〜51,000 (330万〜560万円) |
学費は学部の違いだけで雲泥の差があることがわかります。
やはり最高額の学費は、多くは法学部と薬学部、医学部からきていますよ。
私立の大学院にかかる費用
アメリカの私立大学院の学費は、およそ350万〜750万円です。
これらのアメリカの私立大学院では、経済的な支援が必要な学生(need-base)への奨学金がたいへん充実しています。
また、私立大学院では、need-base奨学金以外にも、能力基準とした(merit)奨学金も多くの学生に配られています。
なので、学費に圧倒されて諦めてしまうのではなく、合格さえできてしまえば、なんとかなるのかもしれませんね。
大学院名 | 学費目安(USD1≈110円) |
---|---|
カルフォルニア工科大学 | USD54,570(600万円) |
プリンストン大学 | USD51,900(570万円) |
マサチューセッツ工科大学 | USD53,500〜77,000 (590万〜850万円) |
ハーバード大学 | USD35,000〜73,400 (380万〜800万円) |
スタンフォード大学 | USD52,500〜72,000 (580万〜790万円) |
イェール大学 | USD29,600〜72,400 (330万〜800万円) |
シカゴ大学 | USD32,000〜72,000 (350万〜790万円) |
ブラウン大学 | USD57,100〜68,700 (630万〜750万円) |
コロンビア大学 | USD58,700〜73,300 (650万〜800万円) |
ニューヨーク大学 | USD27,200〜72,400 (300万〜820万円) |
アメリカの私立大学院の場合、最高額の学費はほとんどが経営学部(MBA)によって叩き出されていますよ。
イギリスの大学院にかかる費用
イギリスの大学院の学費はおよそ300万〜550万円になります。
ほとんどが公立の大学院であるだけあって、アメリカの公立の大学院と同じぐらいの学費です。
ただ、イギリスの大学院では、学生に支給される奨学金の母数が少ない印象があります。
生活費に関しては、GBP11,000〜15,200(160万〜220万円)あたりが目安です。
それでは、それぞれの大学院の学費を見ていきましょう。
大学院名 | 学費目安(GBP1≈142円) |
---|---|
オックスフォード大学 | GBP22,000〜59,500 (310万〜850万円) |
インペリアル カレッジ ロンドン | GBP20,900〜53,500 (300万〜760万円) |
ケンブリッジ大学 | GBP21,400〜57,000 (300万〜810万円) |
ロンドン スクール オブ エコノミックス | GBP19,400〜37,000 (280万〜530万円) |
ユニバーシティ カレッジ ロンドン | GBP15,200〜46,600 (220万〜660万円) |
キングス カレッジ ロンドン | GBP18,700〜48,900 (270万〜690万円) |
エジンバラ大学 | GBP20,900〜32,500 (300万〜460万円) |
マンチェスター大学 | GBP19,000〜44,000 (270万〜630万円) |
ちなみに、イギリスの大学院での修士課程は、ほとんどが1年制です。
なので、学費も一年間だけの辛抱ですが、詰め込み学習で多忙な日々になりそうですね。
もしイギリスの受験方法に興味があるのなら、ぜひ次の記事をチェックしてみてください。
カナダの大学院にかかる費用
カナダの大学院にかかる学費はおよそ140万〜500万円になります。
アメリカやイギリスの大学院と比べると比較的学費も低い印象です。
また、カナダでかかる生活費は、およそCAD9,000〜18,000(75万〜150万円)と、こちらもなかなか安いみたいです。
それでは、大学院ごとにかかる学費を見ていきましょう。
大学院名 | 学費目安(CAD1≈83円) |
---|---|
トロント大学 | CAD26,000〜61,800 (220万〜510万円) |
ブリティッシュコロンビア大学 | CAD9,400〜60,100 (80万〜500万円) |
マギル大学 | CAD20,200〜47,200 (170万〜390万円) |
マックマスター大学 | CAD17,100〜600,000 (140万〜500万円) |
モントリオール大学 | CAD16,800〜48,900 (140万〜400万円) |
ちなみに、カナダに3年間以上住んでいると日本人でも市民権が所得できるので、海外に永住したいという方には、カナダの大学院への留学はたいへん魅力的ですよ。
オーストラリアの大学院にかかる費用
オーストラリアの大学院にかかる学費はおよそ200万〜500万円です。
かかる学費は、カナダよりは高いですが、イギリスとアメリカと比べると安めではあります。
また、オーストラリアでの生活費は、AUD20,000〜33,000(150万〜220万円)あたりが目安です。
大学院名 | 学費目安 |
---|---|
オーストラリア国立大学 | AUD23,000〜84,000(170万〜620万円) |
メルボルン大学 | AUD26,000~68,000(190万〜500万円) |
シドニー大学 | AUD36,500〜80,000(270万〜590万円) |
ニューサウスウェールズ大学 | AUD36,500〜55,000(270万〜400万円) |
クイーンズランド大学 | AUD16,700〜73,000(120万〜530万円) |
オーストラリアはヨーロッパや北米ほど寒くもなく、アジア圏のように暑いわけでもないので、過ごしやすい温厚な気候に位置しています。
体を壊してしまわないためにも、自分にあった大学院の国や地域を選ぶことも大切ですよ。
ヨーロッパの大学院にかかる費用
ヨーロッパの大学院の何よりの特徴は、圧倒的な学費の安さです。
これまで紹介してきたどの国の学費をも凌駕する破格の集まりになっています。
ただ、学費が安いのですが、なかなかに生活費がかかることが多いので、大学院にかかる総費用にはライフスタイルの影響が特に大きくなりそうです。
また、大学院の特別プログラムなどの場合は、学費が高くなってしまうこともあるので、しっかりとリサーチをしておきましょう。
国名 | 大学院名 | 学費目安 | 生活費 |
---|---|---|---|
スイス | チューリッヒ工科大学 | 18万円 | 240万円 |
ドイツ | ミュンヘン大学 | 3万円 | 110万〜140万円 |
フランス | PSL研究大学 | 4万円 | 80万〜130万円 |
フィンランド | ヘルシンキ大学 | 0円(FIN・SV) 160万〜220万円(EN) | 100万〜140万円 |
スウェーデン | カロリンスカ医科大学 | 200万〜230万円 | 110万〜210万円 |
ベルギー | ルーヴェン・カトリック大学 | 20万〜70万円 | 110万〜120万円 |
オランダ | ヴァーヘニンゲン大学 | 220万円 | 150万円 |
デンマーク | コペンハーゲン大学 | 120万〜200万円 | 180万〜260万円 |
※ 履修する言語 – FIN: フィンランド語、SV: スウェーデン語、EN: 英語 |
ちなみに、学費が安いと注目のヨーロッパですが、各国で国際学生に対しての学費を有料化・高くしていこうという流れが巻き起こっています。
なので、たった一年入学が遅れさせるだけでも、学費が跳ね上がる可能性があるので、ご注意くださいね。
アジアの大学院にかかる費用
ここでは、アジアの有名な大学院を一つの国あたり1〜2つご紹介していきます。
学費は全体的にこれまで紹介してきたアメリカ・イギリス・カナダと比べると、多くの学部においては比較的に低めです。
加えて、後ほどご紹介しますが、アジア圏の大学院には、海外の院生に向けた政府からの奨学金が充実していますよ。
次では、学費および生活費は日本円に両替しています。
現地での金額等はぜひリンク先の大学院の公式ページからご確認ください。
国名 | 大学院名 | 学費目安 | 生活費 |
---|---|---|---|
中国 | 北京大学 | 45万〜160万円 | 70万円(非公式) |
清華大学 | 45万〜160万円 | 45万〜95万円 | |
シンガポール | シンガポール国立大学 | 280万〜750万円 | 85万円 |
南洋工科大学 | 180万〜510万円 | 160万円 | |
香港 | 香港大学 | 240万〜550万円 | 110万〜140万円 |
香港理工大学 | 160万〜560万円 | 90万円(非公式) | |
台湾 | 台湾大学 | 40万〜120万円 | 60万〜80万円 |
韓国 | ソウル大学校 | 60万〜220万円 | 70万〜100万円 |
ちなみに、アジアでの食事や生活は比較的日本に似ているところも多いので、文化的にも過ごしやすいかもしれませんね。
たった1・2年のことと思ってしまいますが、自分のライフスタイルも考慮しながら大学院選びをするといいですよ。
留学費用を抑えられる奨学金制度
ここまでは各国の大学院を見ていきながら、どのぐらい学費や奨学金がかかるのかをご紹介してきました。
どこもかなり高額であったことに驚かれたかと思います。
特に、医学系や経営学(MBA)を海外で学べるというのはアドバンテージですが、500万円〜700万円なんてこともざらにあります。
また、生活費にしても、海外生活に慣れていないと、余計な出費をしてしまうなんてことも……
そこで、あなたの懐とこころのゆとりを作るために、海外の大学院にかかる費用を抑えられる国内・国外の奨学金制度をご紹介していきます。(主に修士課程に向けたものを)
- 日本からの奨学金8選
- 国ごとに使える奨学金制度をご紹介!
- 奨学金を調べたいときの検索テクニック
日本からの奨学金
まずは、海外の大学院に留学する際に利用できる、日本にある公的機関や団体、財団からの奨学金情報をご紹介してきます。
- 日本/世界銀行 共同大学院奨学金制度
→ 学費・生活費・渡航費・医療保険を支給 - トビタテ!留学JAPAN奨学金
→ 最大総額約430万円/年を支給 - CWAJ海外留学大学院女子奨学金
→ 300万円/2年を支給(女性限定) - JASSO海外留学奨学金
→ 5〜15万円/月が支給される - 経団連国際教育交流財団
→ 350万円/年を支給 - 平和中島財団
20万円/月を支給 - 伊藤国際教育交流財団
→ 学費最大300万円/年・生活費16〜22万円/月を支給 - 孫正義育英財団
個別に検討(例)留学や進学費用の一部もしくは全額支援
これだけ見るだけでも意外に多いですよね。
ただ、実際には、どれも競争率が高く応募資格も厳しいです。
しかし、落ちてもなにも失うわけではないので、挑戦してみる姿勢なんかも大切になりますよ。
海外からの奨学金
ここからは、海外の政府や大学から支給される奨学金についての情報です。
ただ、外国人に対しての奨学金がもともと少ない中、日本人に対してはさらに少ないです。
なので、少しでも、情報を仕入れて、皆さんの海外大学院進学に役立ててください。
- アメリカ大学院の奨学金情報
- イギリス大学院の奨学金情報
- カナダ・オーストラリア大学院の奨学金情報
- ヨーロッパ大学院の奨学金情報
- アジア大学院の奨学金情報
アメリカ大学院の奨学金情報
学費が高いと有名なアメリカの大学院ですが、奨学金制度に関しても一流です。
できる生徒をしっかりと評価する精神で、多くの奨学金(merit scholarships)が配られています。
また、私立大学院は、特に経済的支援が必要な生徒への奨学金(need-based scholarships)に力を入れているのです。
なので、費用がかさむと後ろ向きになるのではなく、自分の実力と大学院を信じて、留学してみることでチャンスが掴めるかもしれません。
イギリス大学院の奨学金情報
イギリスの大学院への奨学金として、Chevening Scholarshipなどがあったりします。
ただ、イギリスの大学院での奨学金は、主に大学院からになります。
そして、その奨学金制度なのですが、オックスフォード大学とケンブリッジ大学を除くと、ほかの多くの大学院の羽振りはそれほど良くないです。
なので、一年間の辛抱だと思って、思い切って留学してみるぐらいの方が、イギリスの大学院への進学が向いているのかもしれませんね。
カナダ・オーストラリア大学院の奨学金情報
カナダ・オーストラリア大学院の場合は、大学院からの奨学金に頼り切るしかありません。
ただ、アメリカやイギリスの大学院ほど競争率も高くないので、しっかりと実力が評価されれば、十分に奨学金が与えられる可能性もあるはずです。
ヨーロッパ大学院の奨学金情報
もともとの学費が低いことで有名なヨーロッパの大学院でも、奨学金制度はいくつか存在します。
特に、国によっては大学院の学費はほかの国とも変わらないので、Scholarship紹介サイトなども用いながら確認しておきましょう。
アジア大学院の奨学金情報
アジアの大学院に留学する際には、ぜひチェックしてもらいたいのが、それぞれの国の政府が行っている奨学金制度です。
学費が無料になるとまではいきませんが、安くできるのなら、チェックしない手はありませんよね。
大学院の費用情報を逃さないための検索テクニック
最後に、あなたが自分で「行きたい・興味のある大学院の費用や奨学金の情報を調べたい!」という時に便利な検索テクニックをご紹介します。
- 大学/大学院のホームページにGO
- グローバルナビでキーワードをチェック
- サイト内検索で調べてみる
- 大学院に連絡を取る
まず、基本的に、データや詳細などを調べるには、大学院のホームページのみで十分です。
次に、グローバルナビからは、キーワードは次のような英単語を見つけてみましょう。
- 大学院:postgraduate
- 修士:MA / masters
- 博士:PhD / doctors
- 費用:fees, finances
- 奨学金:financial aid, funding
- 給付型:scholarships, tuition grant
- 貸付型:student loan
そして、もしグローバルナビから辿っていったページでも知りたい情報が見つからなければ、サイト内検索の出番です。
グーグル検索の要領で先ほどのキーワードとコース名などで検索すれば出てくるはずです。
ただ、サイト内全体を検索すると、古い情報が紛れていたりするので、しっかりと更新日や日付はチェックしておきましょう。
最終的に、もしどうしても知りたい情報が見つからなければ、大学院の連絡先(Contact)やよくある質問(FAQ)などから、大学院に積極的に連絡していってください。
海外大学院での奨学金の活用については、情報戦が大切になってきます。
なので、どんな小さなチャンスも逃さないためにも、しっかりと知りたい情報を調べられる能力を磨いていってください。
まとめ:海外の大学院はお金がかかる!
✔️この記事で学べたこと
- アメリカ・イギリスの大学院はとにかくお金がかかる
- ヨーロッパの大学院の学費がこれから高くなるかも⁉︎
- アジアの大学院なら現地政府の奨学金がオススメ
- 日本には多くの留学に使える奨学金制度が存在している
- 大学院の費用データを簡単に調べられるテクニック
このように、この記事では、海外の大学院に進学したいがかかる費用をご紹介してきました。
もちろん、これは大きな統計データのものでもなく、大学や学部/学科、そしてあなたのライフスタイルによっても大きく変わってきます。
なので、それを踏まえた上で、おおよその大学院にかかる費用がわかっていただけたなら幸いです。
また、留学費用をまかなう上で大切になってくる奨学金や支援金の数々を紹介してきましたが、まだまだ眠っているものもあるかと思います。
ですので、費用が理由で進学を諦めてしまうのではなく、本当に海外の大学院で学びたいと思うのなら、粘り強く挑戦してみてくださいね。
もし世界大学ランキングに興味がある・もっと知りたいのなら、ぜひ次の記事を読んでみてください。
あなたの大学院選びにきっと役に立ちますよ。
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